北と南と国家の狭間に振り回されても、愛する妻・家族のためにだけ生きようとすることも許されない男の儚い物語「ベルリンファイル」。

 

設定が壮大で、思惑が入り混じった脚本なので、難しく感じる展開もありますが、それぞれが何のために生きようとするのかに焦点をあててて描かれたアクション・サスペンスです。
 

 

主演は「テロ・ライブ」「暗殺」のハ・ジョンウと、「シュリ」「スカーレットレター」のハン・ソッキュ。

 

国家のために全てをかけて生きようとし、愛する妻さえも疑ってしまった哀しい男の人生を、ハ・ジョンウが感情を抑えながら、でも深く響く様に演じています。

 

ハ・ジョンウは所謂イケメンではないのですが、渋く孤独を演じさせたら、本当にいい俳優ですね。

 

そして、大御所ハン・ソッキュが国家組織の中でも、最後には自分を貫こうとする、味のある男を演じています。憎たらしく、でも自分なりの正義を通す。そんな懐の深い役柄です。

 


国家に振り回される男たちの中で、懸命に愛する人のために生きようとするのは、「猟奇的な彼女」「暗殺」のチョン・ジヒョン。

 

ハ・ジョンウとチョン・ジヒョンは「暗殺」でも共演していますが、今回の役どころは、あくまでも夫ハ・ジョンウを必死に支える役柄ながらも、結果彼の演技を見事にアシストする立ち回りです。

 


すぐ隣の国家で、現在も行われているかもしれない諜報活動を舞台に、そこにしか生きられない人々の苦悩を描いた作品です。
この辺りが韓国映画の奥の深さというか、引き出しの多さを感じますね。


ハ・ジョンウ、ハン・ソッキュ、チョン・ジヒョンの他に、リュ・スンボム等、韓国映画の俳優陣の中でも際立った豪華なキャスティングを見事に、壮大な世界観で魅せた「ベルリンファイル」。

絶賛しておりますが、展開的に相関図が難しいので、とっつきにくく、焦点がぼやけるかもしれませんが、そこに生きようとした人々の葛藤を、超豪華俳優陣が描いた作品です。



観ていない方は是非どうぞ。

評価:★★★★☆

 

 

2013年製作/120分/PG12/韓国
原題:Bereurlin
配給:CJ Entertainment Japan

 


 

 

 

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