役者が演技するというのは、こういう事なんだ、と再確認を迫られる作品です。
ご存知の通り、第59回ヴェネチア国際映画祭で 最優秀監督賞,新人俳優賞、国際批評家連盟賞を受賞した名作です。凄かった。

 

この映画は、世の中には色んな「愛のかたち」があって、こんな純粋なラブストーリーの存在と、そして普段、意識していてもしてなくても、「人間」という生き物はこんな風にしか生きられないのかもしれないって事を、気がつきたくなかった自分の中に潜む偏見や差別を通して、映画の中で絶えることなく繰り返し見せつけられます。

 

 

主人公の2人の「愛のかたち」を通して描かれているのは、その他大勢側のありのままの姿なのかもしれませんね。(「いい」とか「悪い」とかの基準ではありません。)

 

 

内容的には、一部受け入れがたい描写や、強引な設定もありますが、重いテーマを見やすくする場面もおりまぜてあり、よく構成されていて、最後の最後まで引き込まれる、そんな作品です。

 

しかし何といっても、俳優の演技が凄い。

シルミド / SILMIDO 」のソル・ギョングと先の新人俳優賞を受賞したムン・ソリ(この二人は映画「ペパーミント・キャンディー 」でも共演してます。)が、この作品はドキュメンタリーではないのか?と錯覚すら起こさせてくれます。

 

実際はもっとひどい現実があるのかもしれません。でも映画を通して見る側にそういう事まで想起させる演技力は、必見の価値ありです。

 

明るく楽しい映画ではないかもしれませんが、非常に純粋な「愛のかたち」と、もう一度自分の姿を見つめ直したくなる、そんな有意義が作品ですよ。評価は久々に5つ星です。見てない方は是非どうぞ。

 

 

評価:★★★★★

※このブログは2005年5月11日投稿された記事に新しく画像を追加しました。

 

 

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